現地レポート:岩瀬孝文



『日本代表チーム、グッドコンディション』 1月23日・クリアウォーター(フロリダ州)

 1月23日、試合前日のトレーニングは午前8時30分からクリアウォーター市のカントリーサイド高校グランドで開始された。

 スクリメージでプレイの確認後、相手ワンバックシステムに慣れるための守備対応を行なった。そして高校の学生食堂での昼食をはさみ午後からはキッキングゲームの徹底に時間を割いた。

 「いい緊張感が出てきました。ホストファミリーでの生活も最初は無口だったみんなも少しずつ英語を話すようになり、積極性が出てきました。明日のカナダ戦は相手が大きいのでビビリはありますが、始まってしまえば、もうやるだけです」(松本晋弥主将・日体大CB)

 午後4時からはグローバルジュニアチャンピオンシップ大会のプレスカンファレンスに出席。カナダ、日本、ヨーロッパ、アメリカの各監督とヘッドコーチが壇上に上がった。

 「体格的には劣るかもしれないが、技術はあります。それでみなさんの期待に応えられることでしょう。試合では勝敗よりもファイティングスピリットを学ばせたい」とスピーチした阿部重一ヘッドコーチ。

 また「真正面から正攻法でぶつかっていく」(阿部ヘッドコーチ)ことが機軸の日本代表チーム。あとは前回優勝のカナダに対しておもいきりあたっていくだけだ。

 「まとまりはでてきている。どこまでやれるか楽しみだ」(中澤一成ディフェンスコーディネーター)

 初戦は24日午後4時からクリアウォーター高校スタジアムでキックオフされる。




『日本敗戦、気迫の1本』 1月24日・クリアウォーター(フロリダ州)

第一回戦 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
日本
カナダ 14 27
 日本対カナダのアメリカンフットボールU−19第1回戦(準決勝)が、1月24日フロリダ州クリアウォーター高校で午後6時から開始された。
 日本は前半こそ健闘したが、後半に3TDを奪われ8−27で敗れた。

 前半は立ち上がりの相手QBスニークによる1本を許しただけの2−6と大健闘。
 後半、要所をしめていた守備が、相手攻撃が崩れたところにタックルミスが重なり3Qに1本、4Qに2本のタッチダウンを許した。
 日本は後半にパッシングシチュエーションのビアTを多用して、左腕QB山木真治(東海大)の右ロングパスで1TDを返した。
 第1Qこそ日本のラインは2m、100kgを超える相手ラインの圧倒的なパワーに押されていたが、その重さの対処を除けば日本選手の方が完全に機敏に動けていた。
 また、日本のボールへの集散、ギャングタックルなど全員一丸のプレイは大きな感動を呼んだ。

「大きい相手に対してラインが、少々腰が引けていた。まとまりはあったが、スクランブルへの対応など細かなプレイの対応がいまひとつ。負けはしたが、負けて学ぶべき点が多い試合、この先に向けてはいい経験になった」阿部重一ヘッドコーチは冷静に分析した。

 活躍した守備陣の要S24岩根大輔(東海大)は「勝てると思っていただけに悔しい。フロントが頑張ってくれただけに、ディープの責任を感じている。次はぜひとも笑顔で終わりたい。絶対に勝ちます」うなだれていたが、すぐに27日の3位決定戦を勝利で飾りたいと闘志を見せた。




『スーパーボウルスタジアム見学』
 1月25日・クリアウォーター(フロリダ州)

 試合から一夜明けたチームは、昨日の敗戦から一転、けろっとした表情で現れた。

 午前中は練習会場であるフロリダ州クリアウォーター市、カントリーサイド高校のアメフト部ミーティングルームを借りてのビデオミーティングを行ない、攻撃プレイとディフェンスシステムの確認に時間を費やした。

 昨日の試合は巨大なサイズのカナダに対して守備が大健闘。しかし、オフェンスはオプションの禁止、ショットガンの禁止、モーションの禁止などの制約があり、あくまでサイズが大きい方が優位にたてるルール設定上、組織力と細かい技が使用できず苦戦を強いられた。
 が、第4QのビアTからの右奥30ヤードのロングパス成功TDは意地の一発ともいえ、実に見事であった。

 「プレイをうまく出せなかった。僕のふがいなさで試合をこわしてしまった」とスターターQB12山木真治(東海大)は自分を攻めるが、パスを投じたあとのハードヒットにもよく耐え、また追い詰められてからの捨てパスなど頭脳的なプレイが光った。

 けが人は肩と腕が1人ずつ。そして手の甲が2人。これは守備セカンダリーが大きな相手の足元へ闘志いっぱいに突っ込んだ上での負傷
だった。
 その他は試合翌日の全身の痛みが主で、午後のスタジアム見学ではそれぞれがカメラ片手に楽しく記念撮影に興じていた。

 ルール構成上、攻撃力の半減は否めないが27日午後4時からの対ヨーロッパ(ドイツ中心)との3位決定戦に日本が持つ最大のパワーをもって臨む。




『勝利の風、吹くか』 1月26日・クリアウォーター(フロリダ州)

 27日(土)午後4時からの3位決定戦、対ヨーロッパに向けて最後の調整を行なった日本代表チーム。

 午前中は8時30分から約2時間、ハーフ用具でフォーメーション、パントカバーなどの確認を行なった。
 その後、学食でのランチを終えたあとにはカントリーサイド高校の校長との挨拶、そして地元子供達との交換会で交流を深めた。

 午後は約1時間に渡って「アメリカ対ヨーロッパ戦」のビデオを観ながら分析と対策のミーティング。

 「自分自身のために頑張ろう。明日で最後なんだからめいっぱい、自分の100%をだそうではないか」阿部重一ヘッドコーチが力強くアドバイス。

 「オフェンスは、1年生の集団とあって実戦の経験不足。これはカナダ戦の前半に現れた。それにやはり20kgの体重差は大きかった。しかし後半は6−2でパスプロテクションが持ちこたえた。これで5〜7ヤードの短めなパスのつなぎが計算できる。明日は最初からどんどん仕掛けていく。最後までもつれる試合にしたい」藤野雅博オフェンシブコーディネーターも力が入る。

 欧州でいちばんアメフトが盛んなドイツを中心のヨーロッパチームはどちらかといえばパスを得意としている。日本の機敏な動きのパスラッシュや守備セカンダリーのボールへの好反応に期待したい。

 またジャパンが持つロング、ショート、ミドルと変幻自在なパスパターン、そこからのドロー、カナダ戦で通用した俊敏なバックスと適確なブロックによるオープンランなどとの組み合わせにより、日本はぜひともU19大会世界第3位の座を勝ち取りたい。




『日本14−7で世界第3位決定!』 1月27日・クリアウォーター(フロリダ州)

3位決定戦 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
日本 14
ヨーロッパ

 うす曇りで時折、陽がさし、無風、絶好のフットボール日和の3位決定戦。

 日本対ヨーロッパは、日本がDB宮崎祐介(日体大)のインターセプト90ヤードリターンTDで先制。守備陣は第1戦のカナダ戦と同様、早い集散で素晴らしいギャングタックルをみせてチームの士気を高めた。
 さらにもう1本のインターセプトにファンブルリカバーと実力を充分に発揮した。

 後半、ヨーロッパはパントリターンからのチャンスをRBが中央から右外へ流れての7ヤードTD、同点。白熱した試合展開となった。
 日本はミドルパスを多投しリズムを作るが、相手ラインのラッシュがきつくQB12山木真治(東海大)の腕がプレッシャーに負ける場面がありチャンスを逃した。

 ルール上の制限があり攻撃面での威力が半減するなか、それでも守備の健闘にオフェンスが奮起した。
 ダイブフェイクからの右ロールアウトパス、TE85内田降儀(帝京大)への左フェイクパスなどが小気味良く決まってくる。

 最終第4Q、UB31滝田秀樹(日大)の中央ダイブで10ヤードTDが決まって逆転。その後はディフェンスが相手RBを押し込んで完全にジャパンのペース。
 しかもヨーロッパラインの疲れが目立ち始め、日本オフェンスはRBのセンタープレイが効き出す。
 最後はDB7宮崎がこの日3本目のインターセプトを決めて、ニーダウン2本で終了。

 「天然芝でフットボールできていいな。痛くても痛がっちゃいけない。我慢が大切。向こうのファインプレーに一瞬弱気になったのが心配だったが、ここ一発での7番宮崎のビッグプレイがきいた」
 観戦に来ていた中村多聞選手(アサヒ飲料チャレンジャーズ)も声をからしてジャパンを応援、勝利に喜びを見せた。

 「ディフェンス勝ち、これに尽きる。DBの活躍といい、皆、やればできるんだ。もっと、早いうちからやってほしかったが(笑)」
 阿部重一ヘッドコーチも満面の笑みを見せた。

 この試合のMVPはDBの宮崎祐介(日体大)「最高のひとことです」と高らかにガッツポーズを決めた。




NELヨーロッパのページで、ホストファミリーと日本選手の写真が見られます。